世界の喫煙・禁煙状況を知ろう

2020年06月13日

日本のたばこメーカーが毎年行っている「全国の喫煙者調査」によると、喫煙者の人口は2016年は男性が約1,498万人(29.7%)・女性が約528万人(9.7%)、2017年は男性が約1,426万人(28.2%)・女性が約491万人(9.0%)となっています。
前年比では男性が72万人(1.5%)・女性が37万人(0.7%)減少しています。
この結果から、日本における喫煙者率は、年々減少傾向にあるという結果になりました。

日本国内の喫煙者の減少要因の1つとして、高齢化社会に突入したことにより健康への関心が高まったことや、禁煙活動の強化による喫煙者への強い風当たりや、たばこの価格上昇・増税などが背景にあると考えられています。
ところが、世界レベルで見てみると、喫煙者人口は増加傾向にあります。

世界でも国別で見ていくと、イギリス・オーストラリア・ブラジルでは喫煙規制が厳しく周囲からの風当たりが強くなったことから、禁煙する人が増え喫煙者が減少しています。
しかし、人口第1位の中国では喫煙者が増加しているのです。
その増加傾向は急激であり、世界中の低・中所得国のたばこ消費数を合算しても、中国の消費数の方が上回っているのです。

喫煙大国の中国では、喫煙者数が2014年で3億人を超えており、そのうち15歳以上の喫煙率は28.1%に上ります。
問題はこれだけではなく、7.4億人の非喫煙者が受動喫煙の被害を受けているのです。
こうした中国の喫煙事情により肺がんの発症率も高く、WHO(世界保健機構)の調査では2012年の世界中の新規肺がん患者数のうち、実に36%が中国人だとしています。
こうした結果を受け、中国では様々な禁煙の試みが行われています。

例えば、2014年に施行された「鉄道安全規則条例」では、禁煙令に違反した者には罰金を科すよう定められており、実際に2015年には高速道路において車内からタバコのポイ捨てをした人物に対し、20元(約300円)の罰金を科しました。
しかし、まだ罰金の価格が低いことから、今後更に厳しい禁煙令も定められることも必至であり、中国の禁煙事情の動向に注目する必要があります。

世界禁煙デーとは?

中国における受動喫煙の実態は大きな問題でもあり、またWHOの定める「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」からもその健康被害は明確なものであるとして、世界各国で全面禁煙化の動向が進んでいます。
その1つが、WHOが推進している「世界禁煙デー」です。

世界禁煙デーは毎年5月31日に、世界各国で禁煙に関するキャンペーンが開催されるもので、このキャンペーンを通じてたばこがもたらす健康被害を社会へと訴え、喫煙者数を減らすことが目的となっています。
日本でも厚生労働省が5月31日から6月6日までの一週間を「禁煙週間」と定め、全国各地で様々な禁煙イベントを開催しています。

厚生労働省では、世界禁煙デーに合わせて毎年ポスターを作成していますが、そのイメージキャラクターはスポーツ選手・有名人・セレブ等様々です。
中でも注目を浴びたポスターが、2005年に作成された厚生労働省所管の財団法人の禁煙ポスターです。
「セレブは、吸わない。『禁煙』で勝ち組になりましょうよ。」というキャッチコピーと共に女優さんが写ったものです。

セレブ婚で世間を賑わせた女優さんですが、その後離婚をした為「セレブではなくなり禁煙イメージが悪くなる」と批判の声もありました。
同財団法人は「セレブとはお金持ちのことではなく、人に奉仕する気持ちを持った人」であるとし、このポスターを製作したといいます。

2017年の世界禁煙デーのスローガンは、「Tobacco-athreattodevelopment(たばこ-成長の妨害者)」であり、スローガンを通じてキャンペーンを実施しています。
たばこが健康や経済状況を悪化させ、世界中の持続的成長を妨害している事実を明らかにして、今後政府・社会が積極的に健康増進に取り組もうというものです。
WHOは、世界6大陸ごとに個人・団体が取り組んだ、たばこ規制の業績に対して評価し、その中から「WHO事務局長特別賞」と「世界禁煙デー賞」を授与しています。

ある自治体では、SNSを利用して3ヶ月で禁煙を目指す「喫煙卒業チャレンジ教室」の開催を呼びかけるなど、様々なツールを利用して世界禁煙デーを呼びかけており、今後の動向にも注目です。